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婦人科診療つれづれ

第21回「続・子宮頚癌予防ワクチンについて」
2012年05月29日
ずいぶんご無沙汰のつれづれとなりましたが…
今回は、第18回つれづれでとりあげた子宮頚癌予防ワクチンのその後をお伝えします。

ワクチン後進国のわが国で認可されたのが、2009年。原則は自己負担ながら、自治体によっては早くから費用の補助を始めるところもあり、その額もまちまちという状況でした。堺市でも2010年から公費の補助が始まり、当初の、中学三年生までという対象年齢が現在は高校一年生までに延長されています。

認可されたばかりの頃は、子宮頚癌の発症のメカニズムやワクチンの目的(第18回をごらんください)をデリケートな年代にどう伝えるかという難しさもあり、最も接種が望まれる若い世代の接種者は決して多くはありませんでした。
公費負担が始まると、内科、小児科でも接種を引き受けて下さる先生が増え、幼児期の髄膜炎予防ワクチンの普及とともに、ワクチンスケジュールの最後に組み込まれたりして、いろいろなワクチンのひとつとして接種されるようになってきました。お母さんに伴われて、かかりつけの診療所で計三回のワクチンを既に済ませたお嬢さんも増えつつあり、このペースだと、頚癌発症の減少につながりそうです。

当院では公費補助対象年齢への接種は扱っていないのですが、もう少し上の世代の若い女性からの希望も増えています。セクシャルデビュー(初交)前というわけにはいかなくても、この世代の希望者は、「将来、母になるために頚癌予防が大切だから」というモチベーションが、はっきりしています。
実際、子宮頚癌という病気は、進行して子宮を全部摘出する事態には至らなくても、ごく初期の発見で子宮の入り口だけを削り取る手術を受けただけで、妊娠に関してはハンディを負うことになります。
若い女性がそのことを理解し、「産むという能力を大切に活かす」ためにはどうすればいいか、考えるきっかけになれば、ワクチンの普及が少子化の歯止めになるかもしれない…と考えるこの頃です。
(由美子)

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