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第10回「女性とうつ」 |
2007年10月03日 |
女性は男性に比べ1.5〜2.3倍うつ病にかかりやすいと言われています。発病には至らなくても軽いうつ気分は女性の一生のさまざまな段階で現れる可能性があります。 思春期のうつは摂食障害(特に過食)や、自室への閉じこもりの形で現れることがあります。 性成熟期になると月経前緊張症のひとつとして、生理前に無気力になる、すぐ涙が出るなどのうつ気分を経験する人もいます(反対にイライラと怒りっぽくなる人もいます)。 産後に起こるうつ気分としては「マタニティブルー」が有名です。これは、最も幸福であるべき時に、気が沈んで涙もろくなる状態を呼びますが、数週間で自然に治るケースがほとんど。ごく一部はうつ病に移行することもあります。 また更年期症状のひとつとしてのうつ気分は最もポピュラーなものでしょう。不眠、能率低下、無気力といった症状で現れます。 女性に多い理由として「大なり小なりホルモンの変動が関与している」と言えそうです。そのため、ホルモンの動きを止めたり(ピル服用)、ホルモンを補充することで症状の改善につながるケースもあります。また、体質、気質に応じて漢方薬を処方することもあります。 しかしうつ気分が重症であったり、うつ病に進む可能性がある場合、心療内科の診断を受け、抗うつ剤を服用することが必要でしょう。 副作用の少ない抗うつ剤の開発も進み、治療に対するハードルは低くなっています。一人で悩まず解決法を探して行きましょう。 |
(由美子) |
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