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婦人科診療つれづれ

第17回「子宮頚癌のワクチンについて」
2010年01月05日
新年を迎え、今年も各方面で益々”エコ”が推進されそうな情況ですが、医療面でのエコといえば「病気の予防、早期発見により医療費をカットする」ことが目標とされています。
今回は昨年末認可された”子宮頚癌”の予防ワクチンについて。

子宮頚癌は「ウイルス感染が引き金となって発生する」という点で特殊な癌です。生活習慣や遺伝がリスクファクターとなる癌と異なり、インフルエンザのようにワクチンで予防できることも分かってきました。そして発生に関わるHPVは、主として性交渉によって感染するごくありふれたウイルスであることから、初めての性体験年齢の低下と共に若年層(20〜40歳)の患者さんが急増していることが問題となっています。もちろん、感染してもそのごく一部が発症につながるのですが、もし進行癌になれば子宮全摘手術により母になる権利を失う、また子供の小さいうちに命を失うこともあり得るため”Mother killer”とも呼ばれています。そこで欧米では既にスタンダードとなっている予防ワクチンが日本でも認可され、初体験前の十代前半が最も望ましい接種時期としてすすめられているのです。
しかし日本では一般的に”ワクチンで予防する”という意識が低い上に、子宮頚癌の特殊な成り立ちを若い人に説明するのは大変難しいことです。先日、ある中学校で3年生を対象に”性に関する知識”をお話する機会があり、ワクチンの話題にも触れましたが生徒さん達の反応を見ていると時期早尚の感は否めません。一方オーストラリアに住む友人の話では、彼女の娘も同級生と共に15歳の時、全額公費で接種を済ませているとか。国が違えばこれほど事情が違うのかと驚かされます。
もちろん日本は独自のペースで進めて行けばいいと思いますが、「子宮頚癌とその予防ワクチンに関する知識」が若い女性にとって必要であることは間違いないでしょう。
(由美子)

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