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リプロダクション豆知識

第5回「高度生殖医療(ART)」
2004年06月08日
 体外受精・胚移植(IVF・ET)は卵管性不妊の治療法として開発されましたが、現在では難治性不妊、男性不妊、子宮内膜症、免疫性不妊などにも用いられています。特に、卵細胞質内精子注入法(ICSI)が開発されて以来、重度の男性不妊や一般体外受精で受精が成立しない症例にも用いられるようになりました。
 その結果、一般不妊治療を十分に行わずARTに移行する傾向もみられますが、妊娠、出産という現象はできるだけ自然に近い形が望ましいと考えられます。ARTは治療費も高く心身の負担も大きいため、一般不妊治療で妊娠が難しいと判断された場合にのみARTに進むべきであると考えます。

ARTの適応となる不妊原因とステップアップの時期
1 卵管性不妊
卵管形成術で妊娠が望めない場合は、IVF・ETが勧められます。
卵管が開通していても、卵管の機能障害がある場合や卵管形成術後1年以上の不妊である場合などは、IVF・ETの適応となります。
2 原因不明不妊
不妊期間が3年以上であれば、原因不明不妊もIVF・ETの適応となります。IVF・ETにより受精障害が明らかになった場合はICSIの適応となります。もしも、女性の年齢が36歳を超える場合、この不妊期間より短くてもよいと思います。
3 男性不妊
総運動精子数が500万個未満の場合はICSIの適応となります。
総運動精子数が500万〜1,000万個未満の場合は、不妊期間が2年以上ならIVF・ETの適応となります。
総運動精子数が1,000万個以上の場合は、機能性不妊と同様に対応します。
4 子宮内膜症
軽度あるいは中等度の子宮内膜症は原因不明不妊として同様に対応します。
重度子宮内膜症の場合は、手術療法や薬物療法を優先し、治療後1年以上妊娠が成立しない場合はIVF・ET の適応となります。
5 免疫性不妊
不妊期間が2年以上の場合はIVF・ETの適応となります。
(山崎雅友)

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